戦略的貿易政策の理論における費用構造の一般化
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概要
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本稿では,費用構造が企業間で非対称的であるという一般化された仮定のもとで,戦略的貿易政策の2つの代表的な枠組みである輸出競争モデルと自国市場モデルを構築する.そして,各モデルで最適な貿易政策および産業政策を検討することが本稿の目的である.政府が差別的な産業政策をもちいる場合,国内企業のマークアッブが均等化することが示される.そして,効率的な企業ほど高率の補助金ないし低率の課税が適用される.自国市場モデルにおいて,自国が輸入関税のみでその経済厚生を高めようとする場合,最適関税率が負(輸入補助金が最適)となる可能性が示される.また,輸入関税が差別的である場合,任意の2つの外国企業に適用される最適関税率の差は,それらの限界費用の差の50%の水準になる(ただし,限界費用が一定のときに限る).一般的な費用構造では,この50%ルールは適用されない.次に,外国政府が輸出補助金政策をもちい,それが差別的であれば,一般的な費用構造であつても最適関税率の差について100 %ルールが適用されることが証明される.
- 2004-09-30
著者
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