貧困・格差問題のエージェントシミュレーション手法による分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿では、マルチエージェント型のシミュレーションモデルを用いて貧困層・低所得層への扶助の効果を検討した。(1)財産扶助、(2)貧困層・低所得層の稼得能力の引き上げと稼得の場の提供、を扶助の形態としてモデルに組み込み、1人あたりの財産の変化とジニ係数の変化を比較検討した。検討の結果、以下の二点が明らかとなった。第一は、単に財産を扶助することよりも、貧困層・低所得層の稼得能力を引き上げ、稼得の場を提供することの方が、貧困層・低所得層の1人あたりの財産の伸びが大きくなるということである。第二は、貧困層・低所得層の稼得能力を引き上げると、単に財産を扶助する場合よりも、社会全体の財産格差が縮小するということである。
- 関西大学の論文
- 2004-06-15
著者
関連論文
- ICタグを用いた防災施策の提言と確率的生命価値による経済分析
- ICタグ導入による防災対策の研究--防災施策の提言と効果の検証
- 年金制度に対するマルチエージェントモデリング(1) : 基本設計
- 貧困・格差問題のエージェントシミュレーション手法による分析
- 日本のWorking Poorの推計と雇用形態別格差 : 就業構造基本調査リサンプリング・データの分析
- ICタグを活用した被災者の位置特定手法の考察と効果の検証
- シミュレーションを用いた研究のプロセス
- エージェントシミュレーションのすすめ
- 効用の最大化と計算の複雑さ
- 分子生物学とコンピュータサイエンスの接点