レオナルド・ブルーニとキケロ : 教養論を巡って
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
はじめに この研究の目的は、イタリアの市民ヒューマニズムの代表的思想家の一人であるレオナルド・ブルーニ(Leonardo Bruni, 1370-1444)の教養論の主たる特徴を明らかにし、それをキケロの教養論と照らし合わせることによって、そのキケロ的背景を探ることにある。この試みはまた、キケロに代表される古代ヒューマニズムとイタリア・ルネサンスの市民ヒューマニズムとの間の絆を洗い出すことによって、教養概念の歴史的理解を深めようという教育史的試みの一部でもある。ブルーニの教養論については、まさにこのテーマを扱っているかれの著作、『諸学問と文学について』(De studiis et litteris liber ; 1422-1429)^<1>を考察の中心に据え、必要に応じて他の諸著作にも言及することにする。『諸学問と文学について』は、Battista di Malatestaという女性にあてて書かれたもので、後に言及するような部分的には女性教育論と理解したほうがよい箇所もあるが、全体的に見た場合、そこに書かれてあることは、男女両性に妥当する。われわれは、これから先ず、ブルーニの教養論の諸側面を明らかにし(I)、そのうえで、ブルーニの教養論のキケロ的背景について考察することにする(II)。
- 1992-10-20
著者
関連論文
- レオナルド・ブルーニとキケロ : 教養論を巡って
- フィチーノの技術(ars)論
- フーコーの思想における戦争論の位置付け--『社会は防衛しなければいけない』の解釈を中心に
- 松下良平著, 『道徳の伝達-モダンとポストモダンを超えて』, 日本図書センター刊, 2004年2月発行, 四六判, 529頁, 本体価格7,800円
- シンポジウム趣旨(ITの時代における教育学,日本教育学会第65回大会報告)
- メディア論の人間形成論的射程(教育史研究のメディア論的展開,(2)シンポジウム,II 教育史学会第49回大会記録)
- 第一報告:なぜいまドイツ観念論なのか (Colloquium 2 ドイツ観念論の光と影)
- シェリングの時間論の人間形成論的意義 (Forum 1 歴史に非常ブレーキをかけるもの--歴史の天使が眼差す行方)
- 人間形成の地平(その2)-人間形成論の言語論I:ヒューマニズムへの道ー
- 人間形成の地平(その3)ー人間形成の言語論II:レトリックの人間形成論
- 教育思想史研究は「教育」の呪縛を逃れられるか (Forum 2 Learningの思想史・序説)
- 人間形成の地平(その1)-人間形成の地平論の課題ー
- プラトンの教育論における理性の位相
- 薬としてのロゴス--西洋教育史におけるレトリック・ヒューマニズム的伝統の再考 (レトリックから解釈学へ)
- 書評 Giordano Bruno, Oevres completes, Paris, Les Belles Lettres, 1993-99
- イタリア学会創立50年に寄せて (文集:会員が語る50年の歩み)
- プロタゴラスと民主主義
- プロタゴラスの教育思想
- プラトンのテクネーを巡って