イタリアのアルス・ノーヴァについて(1)
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概要
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副題の示すとおり、この小論では、イタリアのアルス・ノーヴァについて、かなり概括的に述べてみたいと思います。内容のほとんど大部分はすぐれた学者たちの業績に負っているわけですから、どの本を開いてみても書いてあるようなことも多いのですが、まだあまり一般にはよく知られていないようなことに重点を置いて、私なりのやり方で纒めてみました。したがって、ある題材にさかれているページ数は、必ずしもその題材の重要さの程度を反映しておりません。(例えば、madrigaleの語源に関する諸説の紹介に多くのページ数をさいたこともその一例です。)この小論は、独自な新しい研究の発表というようなものではありませんが、日本の学界でのこの方面の研究にいくらかでもプラスになるようなことがあれば、望外の喜びとするものです。なお、楽曲の特徴などの分析の場合、その例は、日本でも比較的容易に手に取れる資料や文献に見出され得ると思いますので、なるたけそれらを利用し参考にしていただくことにしました。あらためて、この小論のためにそれらを写しとったり、それらと少し違ったものやあるいは私自身が解読転写したものを挿入したりする必要を感じなかったからです。ただし、とくに文献の場合、日本で手近に見られないと思われるものは、必要に応じて、かなり詳しい説明を加えたり原文を引用したりしておきました。またこの小論を読んでくださるような方には、引用文の意味は明らかなことと考え、邦訳は省略し、貴重な紙数を無駄に費すことを避けるようにしました。
- 1961-01-30