ルネサンス政治思想の系譜 : ダンテからマキァヴェリへ
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概要
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ルネサンスの研究は今日、政治・経済・社会・文化史など各局面の分析と併せて、各個別に孤立せず、一種綜合的な方向へ進められつつある感が深いが、このような視点と関連して、本稿においては文化人たるダンテを現実主義者として、むしろ特にルネサンス政治思想史の始期を代表するユニークな存在と見、つづくマルシリオやマキァヴェリが、それぞれの時期における政治情勢を背景に、ダンテと似て非なる一面があるとしても、結局はダンテの政治思想を維承発展させ、現実と対決した点を強調してみたい。而もこの場合、ややもすれば従前、ダンテとマルシリオを強く結びつけて、両者の関連を中世政教論争の展開にすぎないとする見解には、同調できない。両者とマキァヴェリの思想を、非力ではあるが、彼等の若干の作品を通じて観察し、ルネサンス政治思想の系譜なり路線上において把握し、意義づけてみたいと思う。
- イタリア学会の論文
- 1959-12-30
著者
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