Fiabe italianeの光と影 : Le piacevolinotti, Lo cunto de li cuntiとPosilicheata
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概要
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イタリアのノヴェッレの中には、その初期から近世に至るまで、そのテーマを各地に伝わる口伝民話から借用したり、あるいは口伝民話のモティーフから影響を受けたと考えられる、幻想的・伝奇的内容を持つものが、かなり見出される。が、しかし、口伝民話を純粋な形のままで、その話型やモティーフを崩すことなく取り入れたと見なし得るものが出現するまでには、かなりの年月を必要としたのである。そのような試みの最初のものが、ジョヴァン・フランチエスコ・ストラパローラ(Giovan Francesco Straparola)のLe piacevoli nottiであり、更に、それを発展完成させたものが、ジャン・バッテイスタ・バジーレ(Gian Battista Basile)のLo cunto de li cuntiであることは既に周知の事実であろう。ここでは、このLe piacevoli nottiとLo cunto de li cunti, それに、バジーレの信棒者であったポンペオ・サルネッリ(Pompeo Sarnelli)の書いたPosilicheataについて、それらがイタリア文学史や口承文芸史に於いて果たした役割を中心に考察してみたい。
- イタリア学会の論文
- 1988-10-30