『ロ・クント・デ・リ・クンティ』研究ノート
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概要
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『ロ・クント・デ・リ・クンティ』「Lo cunto de li cuntiとは、一八九一年に、ベネデット・クローチェにより『イル・ペンタメローネ』Il Pentameroneとして、イタリア語訳されて発表され、著名になった作品の原著である。この『ロ・クント』の作者、ジャン・バッティスタ・バジーレGian Battista Basile(一五七五年〜一六三二年)は、一六〇〇年代の前半に主としてナポリに於いて、宮廷付き詩人、外交官、行政宮などとして多彩な活躍を示した詩人である。このバジーレの文学史に於ける最大の功積は、彼の友人であったジュリオ・チェーザレ・コルテーゼGiulio Cesare Cortese(一五七五年〜一六二七年)とともに、ナポリ方言文学の礎を築いたことであろう。ここでは彼の代表作『ロ・クント』をとりあげるが、その前に先ず、作者バジーレの経歴について概説することにする。
- イタリア学会の論文
- 1982-03-20