ベートーヴェン作曲"ピアノソナタ第28番イ長調作品101"におけるテーマの連関
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概要
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楽曲の統一感は素材の同質性に、変化感は素材間の対照性に起因すると考えられる。旋律素材の同質性という視点から主要テーマの関係を分析していくことによって、ベートーヴェンの"ピアノソナタ第28番"の作品としての統一性について考察し、以下の3つの結論を得た。(1)第1楽章第1主題の冒頭にあり、楽曲全体を通して現れ、作品の統一に寄与する音程をレティ(Reti, Rudolph)が提唱した概念「原細胞」によって説明することができる。(2)先行する主題の中に、後続する主題の要素、あるいはその源となる旋律素材が含まれている。(3)楽曲全体を3部分形式的な統一体として考えることができる。
- 2004-12-12