歌曲の聴取における連続的反応測定(音楽認知・知覚1)
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概要
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歌曲を聴いている人の心の中には、時間の経過に伴ってどのようなことが起こっているのであろうか。それは何に起因するのだろうか。14名の被験者に3つの歌曲をフルコーラスで呈示し、「何かを感じたり思ったりしたとき」にキー押し反応を求めた。その後の個人面接から被験者の反応内容を検討した結果、6つの主要なカテゴリーが分類された。小節ごとの反応数とその内容を歌曲の構造的特徴に対応させて調べた結果、全曲に共通するいくつかの反応傾向が認められた。また、音楽経験の豊富な聴き手の反応特徴として、旋律への反応が多いことが示された。歌曲の聴取時において、聴き手は時間の進行とともに、声、詞、旋律、表現などの側面へ音楽的構成要素の手掛り(cue)によって注意を引かれ、音楽的構造や演奏や文脈にも影響を受けながら、それらの側面をモジュールとして連続的に聴き取っているのではないかと示唆された。
- 2004-11-05