歌の聴取印象と再認記憶 : 言葉とメロディの関係を探る
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
刺激として聴取される歌は複数の属性を持っているが、その主たるものは言葉(歌詞)と音楽(メロディ)である。この双方から歌の聴取における全体的印象が形成されるが、両者の関係はどのようなものであろうか。明・暗の印象がはっきりした詞とメロディをもとに、詞だけの朗読、メロディだけの歌唱(スキャット)、そして歌としてそれらを相互に様々に組み合わせたものの歌唱をそれぞれ提示して、29名の被験者に形容詞尺度による印象評定を求めそれらを比較した。その結果から、歌の印象にはメロディの効果が詞の効果よりも強く現れることが示された。また、印象評定後におこなった再認記憶実験から、詞とメロディの印象に食違いのある歌はより記憶されやすく、好みの程度が低い刺激ほど再認成績の高いことが示された。
- 2002-05-18