脂肪酸低資化性を利用した清酒酵母からの高香気生産性酵母の取得
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
清酒酵母協会7号および701号から脂肪酸β酸化系欠損による高香気生産性株を選択するために,脂肪酸低資化性変異株を多数取得した.得られた脂肪酸低資化性株について醸造試験を行ったところ,親株であるK-7に対し酢酸イソアミルを1.5倍生産した株16-5と酢酸イソアミルは0.7倍であるがカプロン酸エチルと酪酸エチルを1.5倍生産した株25-8を取得した.脂肪酸エチルエステルを多く生産すると同時に酢酸イソアミルの生産量が抑えられた25-8は,脂肪酸低資化性株から取得したことから,これらの香気成分の生成の前段階としてβ酸化系欠損により脂肪酸またはアシル-CoAが蓄積しアセチル-CoAの生成が少なくなった株であることが予想される.また25-8の醪は親株がK-7であるにもかかわらず発酵期間中K-701と同様の泡なし性を示した.
- 2002-07-25