嗜好のファジィモデルの実験による検証
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概要
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本論文では, 嗜好のファジィモデル(γモデル)を検証するために行なった心理評定実験の結果について述べる.嗜好のγモデルでは, モノに対して抱かれる好き・嫌い感情の強度が, モノを構成する要素に対してなされる, 熟知度, 魅力度, 非魅力度(嗜好変数)の評価を統合して計算される.統合には補償作用を考慮したファジィ集合のγ結合が用いられ, 要素評価と嗜好感情の強度は5個の補償パラメタで関連づけられる.実験では, 部屋のコンピュータ・グラフィックス画像を呈示刺激として, 被験者に天井, 壁, 床について嗜好変数との適合度を評価させる.また, 同時に, 部屋全体の好き, 嫌い, 及び, 全体的な印象を表わす形容詞に対する評価を行なわせる.部屋の部分に対する評価は嗜好のγモデルによるあてはめに, また, 全体印象形容詞の評価は標準的な回帰モデルによる分析に用いられる.8人の被験者に48種類の刺激を呈示して収集された評定データに嗜好のγモデルをあてはめた結果, 部分評価が一貫している被験者の反応データは, 標準的なモデルを適用した場合と比べて, それほど劣ることなく説明されることがわかった.また, パラメタによって個人の統合特性を表現できる可能性があることが示唆される.
- 日本知能情報ファジィ学会の論文
- 1993-02-15
著者
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