自己非自己認識機構に基づく複雑適応システムの自律的構築
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概要
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本論文では、高度な複雑性を持つ高機能システムの構築原理に関する知見を、基本的な免疫システム機能に着目し、そのモデル化でシミュレーション解析した。我々は既に基本的免疫機能である自己非自己認識機構に、認識機能の揺らぎである寛容性を導入した胸腺学習システムを提案している。本論文ではその拡張として遺伝的アルゴリズムを適用した複雑性進化モデルを構築した。本モデルは、適応過程において組織化した状態で高速に複雑化・高機能化を達成し得た。さらに、その過程でシステム構造の複雑さや多様性を自律的に制御する事で予測不能な環境に適応でき、自己組織性を持つロバストな学習システム特性を獲得した。以上の基礎的な検討から、本報で提案した基本的免疫システムは、環境との相互作用により自己組織化された学習過程を持ち、柔軟な適応性を持つ複雑な情報処理システムの自律的構築原理として有効である事を示した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1999-11-25
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