含意発話から価値評価に関する発話者の信念を推定するモデルの提案
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概要
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自然言語処理における含意理解は,高度な談話理解の実現に不可欠である.その要素技術として本稿は,価値評価に関する含意表現の一種であるアイロニー(反語,皮肉)に着目し,価値評価に関する信念に限定した上で,アイロニー発話から発話者の信念を推定するモデル,及び,アイロニーに対する反論の発話からその反論発話者の信念を推定するモデルを提案する.提案するモデルは,対話において,相手の信念が相手の発話と自己の信念とから推定されるという仮定に基づいている.モデルでは,アイロニーが有する言語的・非言語的な特徴を記号化して定式に組み込んでいる.文字通りの賞賛の発話をアイロニーとして誤解する場合があること,アイロニーをアイロニーとして理解するためには自己を悪く評価していることが必ずしも必須ではないこと,アイロニー発話が反論を阻止する機能をもっているために,直接的な非難の発話よりもかえって強いダメージを聴者に与えること,といったアイロニーに関わるいくつかの基本的な現象が,提案するモデルによって説明できることを示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-17
著者
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