オブジェクト指向集合教育の経験 その2
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概要
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学習者は、新しい概念を自分の保有する既存の概念と比較をしながら理解しようとする。構造化パラダイムの経験者がオブジェクト指向の概念を理解しようとするときの最大の障壁は、擬人化してものを考えるという経験をもっていないことである。CRC法は、分析段階で参加メンバがオブジェクトそのものになりきることを徹底的に要求する。その点で、CRC法は、擬人化してものを考える訓練には適した技法である。筆者らは、学習者の大部分が構造化パラダイムの経験者であるオブジェクト指向集合教育にCRC法を適用していくつかの教訓を得た。・集合教育では、本来のCRC法をそのままの姿で実施することは効率の点で問題がある。・クラスとインスタンスの相違、インスタンスの生成、継承、カプセル化については、通常の説明によって理解できる。・CRC法は、インスタンスの初期化、関係、ポリモフィズムの理解に効果がある。本稿では、これまでの教育経験に基づき、集合教育を効果的に実施するためのコースの学習目的、教材、CRC法の実施方法を述べ、CRC法がどのようにオブジェクト指向概念の理解に貢献するかを評価する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-03-17