言語体験による繰り返し型オブジェクト指向グループ学習
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概要
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新しい技術を学習する方法の一つにグループ学習がある.共通のテーマをもつ少人数のメンバが定期的に集合して学習する.時間や費用の制約が比較的緩やかであるので多忙なSEに好まれる.筆者らは主として,事務処理アプリケーションを開発してきたメンバを対象に,オブジェクト指向技術(OO)のグループ学習会(平たくいえば,勉強会)を主催してきた.構造化パラダイムに長年慣れ親しんできた学習者にとっては,OOパラダイムへの移行は非常にタフである.学習会を開始した当初は,学習の進捗や成果の個人差は避けがたいものと考えていた.しかし,いくつかのグループの観察や自らの参加を通じて,学習者は,OO学習を滝モデルのように前工程から順次行おうとする傾向があること,実装段階では一挙に多数のクラスを実装しようとして,OO概念とOO言語の「二重の未知」と格闘していることを発見した.構造化/滝モデル文化の慣性のなせる技である.OOの学習にも,OOパラダイムで提唱されているプロセスモデル,つまり,繰り返し型モデルやインクリメンタル開発モデルを採用し,言語体験と組み合わせる学習方法が有効である.本稿では,事務処理アプリケーションを構造化パラダイムで開発してきた学習者が,オブジェクト指向技術をグループで学習するときの問題点を整理し,これを解決する新しい方法を提案する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-03-19
著者
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