梵文『法華経』の系統分類
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概要
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大乗仏教研究において最も重要な文献の一つである法華経の梵文写本は, 発見された地域により, ネパール・チベット, カシミール, 西域の3種に分類できる.これら3種の写本間には類似性と共に著しい相違も見られると同時に, 同一地域で発見された写本間ですら相違が見られるのが実情である.特にネパール系写本間の相違が著しい.このように錯綜した写本の系統解明は系統ごとの校訂本作成にとって必須である.系統解明のために, 31の写本の各詩偈の類似性, つまり語順対応・文字対応情報を抽出して, 主成分分析及びクラスター分析を適応した.これらの系統は, (1)ネパール系の10の紙写本群, (2)9本のネパール系の貝葉写本と2つの紙写本を含む11写本群, (3)数本の写本からなるいくつかの小群に整理できた.この小群にはカシミール本と西域本が属している.この結果は, 言語学的研究から特徴を抽出したデータに対して, 同様な手法を適用して得られた結論と殆ど同じであった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2001-07-13
著者
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