生物の伝播に関する確率論的積分差分モデル
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概要
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侵入生物の分布域拡大過程を記述するモデルの一つにKot et al.の積分差分方程式がある。しかし、この式は決定論的モデルであり、確率的な効果は全く考慮されていないという問題を含んでいる。そこで、増殖、分散ともに確率的に起こるモデルを構築し、確率的効果が伝播速度に及ぼす効果について考察した。数値計算を行った結果、確率論的モデルは決定論的モデルに比べて、伝播速度が70〜80%程度に大きく減少することが判明した。確率論的モデルの遅れの原因が増殖の確率性によるものか分散の確率性によるものかを明らかにし、更に決定論的モデルにアリー効果を加えることにより、アリー効果が速度に及ぼす効果を求め対応する確率論的モデルとの関係を議論する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2004-05-07
著者
-
高須 夫悟
奈良女子大学理学部情報科学科
-
川崎 廣吉
同志社大学工学部知識工学科
-
高須 夫悟
奈良女子大学理学部
-
重定 南奈子
奈良女子大学人間文化研究科情報科学専攻
-
木村 美紀
奈良女子大学大学院人間文化研究科情報科学専攻
-
重定 南奈子
Faculty Of Culture And Information Science Doshisha University
-
川崎 廣吉
同志社大学文化情報学部
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