宇宙と細胞(<特集>宇宙生物学 : これまで,そしてこれから)
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概要
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人類が初めて宇宙に飛び出してから,およそ半世紀が経過した.この間,宇宙飛行によって,身体の中で神経系,循環系,筋・骨格系,造血・免疫系などにさまざまな変化が起きることがわかってきた. 骨からのミネラル分の流出や骨量の減少はよく知られており, 同じような症状は宇宙飛行ラットでも観察されている. 原因として,無重力(正確には微小重力)によって骨代謝に異常をきたした結果,骨の形成と吸収のバランスが崩れたと考えられている.では一体なぜ,宇宙飛行によって骨にそのような異変がおきるのだろうか.もちろん極限環境から生ずるストレスやホルモン分泌変化による全身性の因子による影響も無視できないが,むしろ多くは,微小重力によって骨に直接的に引き起こされた問題としてとらえられている.そこで骨の形成に中心的な役割を演ずる骨芽細胞に注目し,正常な骨芽細胞が微小重力による影響を受け,その機能に異変が起きると考え,正常なラット大腿骨の骨芽細胞を用いて宇宙実験を行った.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 2003-06-25
著者
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粂井 康宏
東京医科歯科大学
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粂井 康宏
東京医科歯科大学大学院硬組織病態生化学分野
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粂井 康宏
東医歯大・大学院医歯学総合研究科・病態生化学
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粂井 康宏
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科硬組織病態生化学分野(講師)
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