フェムト秒レーザーイオン化法によるダイオキシン類の検出
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概要
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フェムト秒レーザーイオン化質量分析法(FLMS)を塩素無置換ビフェニル, ジベンゾ-p-ダイオキシン及び3塩化ビフェニル, ジベンゾ-p-ダイオキシンのイオン化に初めて適用した.FLMSでは試料のフラグメント化を抑制し, 分子イオン(intact molecular ion)比率を向上させることができ, 共鳴多光子イオン化法(REMPI)では困難な多塩素置換体のイオン化にも適用できることを示した.FLMSを微量分析装置として用いるため, 分子イオン数/トータルイオン数比(P/T比)に注目して実験を行った.P/T比はレーザー強度を増加させると, フラグメント化が顕著となりP/T比は低下した.塩素無置換分子ではレーザー波長の依存性が顕著であった.3塩化試料では, 塩素解離エネルギーが低いため, イオン化を行う際に塩素の解離が生じ, その後, 塩素の解離が引き金となり, 試料のフラグメント化が促進されると考えられる.その結果, レーザー波長依存性は塩素置換なし試料と比べるとP/T比は低下した.本実験条件内において, 2, 2′, 5-トリクロロビフェニルをイオン化させる条件は, レーザー強度3.0×10^<13>W/cm^2, レーザー波長2000 nm近傍が適当である.1, 3, 6-トリクロロジベンゾ-p-ダイオキシンをイオン化させる条件は, レーザー強度3.3×10^<13>W/cm^2, レーザー波長1500 nm近傍が適当である.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2005-02-05
著者
-
島田 義則
財団法人レーザー技術総合研究所レーザー加工計測研究チーム
-
中島 信昭
大阪市立大学院・理学研究科
-
八ッ橋 知幸
大阪市立大学大学院理学研究科
-
溝口 竜二
大阪大学大学院工学研究科
-
篠原 秀則
大阪市立大学理学部化学科
-
八ツ橋 知幸
大阪市立大学理学部化学科
-
中島 信昭
大阪市立大学大学院理学研究科
-
中島 信昭
大阪市立大学
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