薄層クロマトグラフィーによる糖質の分離挙動と食品試料への応用(<特集>品質管理・工程管理のための分析化学)
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概要
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シリカゲルを吸着剤とするTLCにより加工食品に含まれる各種糖質類を分離するために,種々の展開液の組成並びに発色方法について検討し,次のような知見が得られた.(1)単糖類,二糖類,三糖類,配糖体の分離条件として,クロロホルム-メタノール-水(30:20:4v/v)が適当であった.(2)フルクトースとグルコースの相互分離は,クロロホルム-メタノール-水(30:15:3v/v)の展開液を用いることにより良好な分離能が得られた.(3)アミノ糖,糖酸の分離条件として,1-ブタノール-酢酸-水(8:3:2,v/v)が適当であった.(4)オリゴ糖の分離条件として,2-プロパノール-酢酸-水(4:1:1v/v)が適当であった.これらの分離条件並びに発色方法を適宜組み合わせることにより,広範囲な糖質の分離同定が可能であることが明らかになった.本法は,輸入加工食品の糖質の分離同定法として有用であり,又食品加工の面での品質管理並びに食品衛生管理における糖質の分離定性法としても用いられるものと考えられる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1988-11-05
著者
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