サプレッサー型イオンクロマトグラフィーにおける再生濃縮カラムを用いたフッ化物及び塩化物イオンの濃縮
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概要
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カラム濃縮/イオンクロマトグラフィーを用いてフッ化物及び塩化物イオンを定量する場合の濃縮方法を検討した.炭酸塩系溶離液を用いるサプレッサー型イオンクロマトグラフィーで従来より用いられている濃縮分析方法では,試料中に親和性の大きい硫酸イオンなどが共存した場合はフッ化物及び塩化物イオンの回収率が極端に低下した.これはフッ化物,塩化物イオンの陰イオン交換樹脂に対する親和性が溶離液のイオン種(炭酸イオン)に比べて小さいため,硫酸イオンとのイオン交換により溶離した濃縮カラム内の炭酸イオンがフッ化物,塩化物イオンの溶離液として機能するためであることを明らかにした.濃縮カラムをあらかじめ親和性の小さいイオンで再生した後に試料濃縮を行うという方法について検討し,両イオンの定量を妨害しない再生液として水酸化ナトリウムを用いる方法を確立した.これによりフッ化物イオンの定量においては濃縮カラムイオン交換容量の1/10までの硫酸イオンの共存が,塩化物イオン定量の場合は1/3までの共存が可能となった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1987-08-05
著者
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