モリブデン酸-8-キノリノール-リン酸三元錯体沈殿生成を用いる河川水中の微量リン酸イオンの蛍光X線分析
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概要
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水中のリン酸イオンをモリブデン酸と8-キノリノールを用いて三元錯体沈殿を生成させ,これを0.45μmメンブランフィルター上に捕集しXRF分析法により定量する方法について報告する.沈殿生成の最適pHは1.4でPO_4^<3->10μg/100cm^3以下で検量線は良好な直線となり,検出限界は0.3μgであり,相対標準偏差はPO_4^<3->10及び4μg/100cm^3でそれぞれ3.5,4.2%であった.共存イオンとしては鉄(III)イオンと鉛(II)イオンの妨害が特に著しく,その許容量はそれぞれ1.5,3mg dm^<-3>であった.鉄(III)イオンはヒドロキシアミンを添加し鉄(II)イオンに還元することにより10mg dm^<-3>までその許容量を上げることができる.ケイ酸は20mg dm^<-3>まで妨害せず,本法は天然水中の微量のリン酸イオンの定量に十分適用することができると考えられ,河川水について行ったところ満足のいく結果を得た.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1987-04-05
著者
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