流路内ストリッピングによるヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いた水中硫化水素の定量
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概要
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水中の硫化水素を分析するため,GC装置のキャリヤーガス流路の流量制御部と試料注入口の間に,30%の硫酸と20%の硫酸ナトリウムを含む反応溶液を10ml入れたゴムセプタム付きストリッピングチェンバーを接続し,キャリヤーガスが反応溶液をバブリングしながら流れるようにした.このチェンバーに10〜100μlの試料水を,マイクロシリンジでゴムセプタムを通して注入し,硫酸と反応して発生した硫化水素を,キャリヤーガスでカラムに導入して炎光光度検出器で分析した.クロマトグラムのピークは鋭敏で,4〜5分で完全に元のベースラインに復帰した.試料の注入量は反応溶液の量に対し微量なので,反応溶液を交換することなく,10回程度の連続注入が可能であった.この方法で,100μlの注入で0.02ppmまで定量することができた.本法は,試料水を前処理する必要がなく,共存物質の影響も受けないので,不安定な水中硫化水素,特に低濃度の試料の定量に適している.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1987-12-05
著者
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