塩化パラジウム(II)を用いる吸光光度法によるフェノチアジン系医薬品の自動定量(<特集>医薬品の分析)
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概要
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多種類のフェノチアジン系医薬品の製剤を連続流れ分析装置により一斉に定量することを目的として,塩化パラジウムを用いる吸光光度法の測定条件の統一化及び前処理の簡易化を検討した.その結果,試料を0.625M硫酸-ジメチルホルムアミド(DMF)混液(2:3)に溶かし,連続流れ分析装置により0.625M硫酸-DMF混液(4:1)で希釈し,塩化パラジウム溶液を加えて490nmの吸光度を測定する方法を確立した.本法の正確さは塩化物の多い製剤を除いて99〜100%,繰り返し精度は0.1〜0.3%である.又,手操作の2〜3倍に相当する30検体/日の処理能力がある.フェノチアジン系化合物とパラジウム(II)の錯体組成は連続変化法により1:1と推定された.錯体による490nm付近の吸収はフェノチアジン環の2位及び10位の置換基により影響される.
- 1986-03-05