X線マイクロアナライザーによる高分子材料中の数種の金属元素の定量
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概要
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高分子材料中には種々の金属元素が含まれているが,これらの元素の分析は従来から材料を燃焼して得られた灰分を分析することにより行われている.しかしこの方法では燃焼中に含有元素が飛散したり,含有量が微量の場合には多量の材料を燃焼する必要があるなど問題がある.そこでX線マイクロアナライザー(EPMA)を使用して,金属粉末あるいは無機化合物の粉末を0.05〜2.0 wt%の範囲で配合したポリエチレンシート中の金属元素の定量を試みた.EPMAでは試料の微小部分を測定することになるため,金属粉末あるいは無機化合物の粉末を均一に分散させたシートを試料として用いた.更に高分子材料は導電性が良くないため,表面に金の蒸着を施し,又特性X線強度に大きな影響を及ぼす蒸着時間や試料電流などの要因とX線強度との関係についても検討を行った.このようにして,均一に分散した試料においては,配合量が0.1 wt%以下では測定精度にやや問題があるものの,全般的にはかなり精度良く定量できることを確認した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-10-05
著者
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