水蒸気熱分解法による窒素分析法の改良
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概要
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先に報告した塩化鉄(III)-酸化アルミニウムを触媒とする水蒸気熱分解法による窒素分析の改良について検討した.従来の方法では,熱分解生成物中に目的物質のアンモニアの外に酸性物質が共存するため,水蒸気蒸留後に中和滴定でアンモニア量を求めたが,今回は,分析時間の短縮及び分析操作の簡易化を目的として,水蒸気キャリヤーガス流路中にソーダライムを充てんしたスクラバーを設けて酸性物質を除去することにより,アンモニアを直接滴定で求める方法を確立した.このスクラバーの温度を175 ℃ 以上に保てば,スクラバー中でのアンモニアの滞留は無視できるほど短時間であり,酸性物質も完全に除去される.最適実験条件下においては,L-アラニンの分析を例にとると,10分間以内に定量的に窒素はアンモニアとして回収された.又,本法を他のアミノ酸や石油,石炭に応用したところ,良い結果が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-05-05