けい光燈下分析操作中におけるp-クマル酸の立体異性化
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概要
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p-クマル酸(4-ヒドロキシケイ皮酸)はイネ科植物に含まれ天然水中にも存在しているが,水に添加したp-クマル酸(トランス体)を再び水から回収する際に,抽出及びトリメチルシリル誘導体化などの分析操作をけい光燈下で行うと容易にシス化されることを,核磁気共鳴スペクトル,ガスクロマトグラフ及び質量分析計を用いて確認した.このシス体と類似のR_tを持つ物質の検討を行った結果,o-クマル酸及びp-クマル酸メチル(いずれもトランス体)を見いだした.シス化はけい光燈照射時間及び溶液のアルカリ濃度に依存し,30%水酸化ナトリウム(0.1M)メタノール溶液で,24時間の間にシス/トランス比が3.0になった.分析操作の過程でシス化を起こさせない条件の検討から,用いるガラス器具のすべてをかっ色とし,そのうえトリメチルシリル誘導体は低温におきしかも8時間以下の測定でシス化しないことが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1979-08-05
著者
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