ガスクロマトグラフによる大気中低級脂肪酸の定量
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概要
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大気中の酢酸から吉草酸までの低級脂肪酸をガスクロマトグラフ法で分析する方法を検討した.1%(w/v)水酸化ナトリウム溶液に試料ガスを通し脂肪酸を捕集した後,リン酸(10N)で脂肪酸を遊離させエーテル抽出を行う.この抽出液に内標準物質としてm-キシレンを加えガスクロマトグラフ分析を行う.低濃度試料に対しては,エーテルで抽出の後,抽出液を1ml以下に濃縮し内標準物質を加えた後,エーテルを加えて正確に1mlとしガスクロマトグラフ分析を行う.捕集効率はいずれの脂肪酸も100%であり,抽出率は炭素を多く含む脂肪酸ほど高い傾向を示した.又,標準ガスによる回収率と分析精度を調べた結果,抽出率による補正をしたときの回収率は約95%,変動係数より求めた分析精度は10%前後であった.本法による定量下限は大気を1m^3採取した場合約3ppbである.この方法によって畜舎臭気や家畜のふんを加熱したときに発生する臭気を測定し,プロピオン酸など各種の低級脂肪酸が確認された.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1976-07-10
著者
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重田 芳広
日本環境衛生センター公害部特殊公害課
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長谷川 隆
(財)日本環境衛生センター
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石黒 智彦
(財)日本環境衛生センター
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岡林 南洋
(現)筑波大学化学系
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長谷川 隆
日本環境衛生センター
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重田 芳広
日本環境衛生センター
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