臭化ナトリウム又はヨウ化ナトリウムを用いる貴金属微粒子-イオン共存系での貴金属イオンの比色定量
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概要
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貴金属イオン(AuCl_4^-, PdCl_4^<2->及びPtCl_4^<2->)の還元で得られたナノメーターサイズの超微粒子と未反応の貴金属イオン, 及び界面活性剤の共存する系で, 微粒子の除去及びイオンの定量を目的とした比色分析法について検討した.従来法の臭化金酸吸光光度法では微粒子による散乱や表面プラズモン共鳴吸収によってスペクトルが干渉され, イオンを比色定量することができなかった.本法では, ヨウ化ナトリウム又は臭化ナトリウムの飽和水溶液を添加することにより微粒子は凝集-沈殿し, 容易に濾別することができた.又, この操作によって未反応の貴金属イオンにヨウ化物イオン又は臭化物イオンが配位し, 可視領域に比較的大きな吸収を持つような錯体が得られ, 容易に比色定量することができた.測定下限濃度は金イオン5.08×10^<-2>mM, パラジウムイオン1.32×10^<-1>mM, 白金イオン5.82×10^<-2>mMである.これによって貴金属イオン水溶液からの微粒子の生成速度が容易に測定でき, 種々の微粒子調整法の速度論的考察が可能になるものと思われる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1996-04-05
著者
-
坂東 博
大阪府立大学
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前田 泰昭
大阪府立大学大学院工学研究科物質系専攻
-
興津 健二
大阪府立大学大学院工学研究科物質系専攻
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前田 泰昭
大阪府立大学
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水越 克彰
大阪府立大学工学部
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永田 良雄
大阪府立大学先端科学研究所
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水越 克彰
大阪府立工業高等専門学校工業化学科
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興津 健二
大阪府立大学
-
Okitsu Kenji
Department Of Nuclear Engineering Osaka University
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坂東 博
大阪府立大大学院工学研究科
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