キャピラリー等速電気泳動法によるフレッシュコンクリート中の塩化物イオン, クロム酸イオン及び硫酸イオンの同時定量<特集>分離(その2)

概要

論文の詳細を見る
フレッシュコンクリート中に含まれる塩化物イオン, クロム酸イオン及び硫酸イオンの同時定量をキャピラリー等速電気泳動法により検討した.5mM(M≡mol dm^<-3>)Ca(OH)_2メタノール(20%v/v)水溶液をリーディング電解液に, 10mM CH_3COONa水溶液をターミナル電解液に用いて, 塩化物イオン及び硫酸イオンを電位こう配検出器で検出した.又相対的に微量のクロム酸イオンを紫外吸光検出器で検出することにより, 相対的含有量が大きく異なるこれらイオンの同時定量が可能であった.このとき, クロム酸イオン濃度は紫外吸収ピーク高さではなく, 紫外吸収ピーク面積と比例関係があった.フレッシュコンクリート中の2.5〜3.7mMの塩化物イオン, 75〜189μMのクロム酸イオン及び33〜39mMの硫酸イオンを試料を前処理することなく, 2μlの注入で30分以内に同時定量ができた.イオンクロマトグラフィーで求めた塩化物イオン及び硫酸イオンの結果と, ジフェニルカルバジド吸光光度法で求めたクロム酸イオンの結果とも一致した.
社団法人日本分析化学会の論文
1993-12-05