高速液体クロマトグラフ分離/高周波誘導結合プラズマ発光分析法によるテルビウム及び酸化テルビウム中の不純物希土類元素の定量
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概要
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酸化テルビウム及びテルビウム中の不純物希土類元素を, HPLC/ICP-AESにより迅速かつ高感度に定量した.HPLCの分離カラムにはシリカ-ODSを, 溶離液に2-ヒドロキシイン酪酸を用いてこう配溶離(0.05〜0.4mol/l)を行うことにより, 約10分間でテルビウムと不純物希土類元素相互の分離ができた.溶離時間が短いため, 溶離曲線のピークがシャープであり高感度に測定できた.HPLC装置への検液の注入量は, テルビウム1g/100mlの検液で30μlまで可能である.又ICPの高周波出力を0.8kW程度に小さくすると, S/Bが5倍以上良くなり感度を向上させることができた.酸化テルビウムに不純物希土類元素を添加し, 被検元素だけを含む標準溶液で作成した検量線を用いて定量し回収率を求めたところ, 85〜110%であった.本法は高純度のマトリックスマッチング用希土類元素を必要としない.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1991-06-05