燃料電池中リン酸濃度分布の実測
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概要
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燃料電池中のリン酸濃度はリン酸量とカールフィシャー電量滴定法による水分の定量によって実測することができる.得られた分析値から見て, 運転停止から試料採取までの冷却時のリン酸濃度の変化は電池のサイズ, 運転圧力にかかわらず十分小さい.実測されたリン酸濃度は温度及び水蒸気分圧によって決まる平衡濃度より低いが, その差は-10%以内である.リン酸濃度は場所によってかなり異なるが, これは電池の反応量及び水分除去量のばらつきを反映していると考えられる.一方, リン酸濃度のガス流方向依存性は小さい.腐食個所ではリン酸濃度は著しく低下し, 同じ電池の非腐食個所にも影響する.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1990-10-05