ニッケル-チタン合金電極の電気化学的挙動と糖類の電気化学検出への応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Ni-Ti形状記憶合金の電気化学挙動及びその糖類のアンペロメトリック検出器への応用について検討した. 強アルカリ性溶液中でNi-Ti合金電極とNi金属電極は電気化学的挙動が類似しており, +0.5及び+0.45 vs. Ag/AgCl付近にNi(II)/Ni(III)の酸化及び還元波が観測された. しかし, サイクリックボルタモグラムの経時変化からNi-Ti電極表面上に形成されたニッケル酸化物の構造はNi電極のようなαからβ-相への転換は見られず, その酸化皮膜が極めて安定であることを示唆している. Ni-Ti電極表面上の酸化皮膜は強アルカリ性溶液中で糖類の電気化学的酸化反応に対して高い触媒活性を示した. この電極を糖類のアンペロメトリック検出に用い, 移動相0.1M水酸化ナトリウム, 電極電位+0.55V vs. Ag/AgCl, 流量1 ml/minの条件下で0.5〜500μMの濃度範囲で糖類の定量ができた. 10.2μlのサンプルループを用いた場合, グルコース, フルクトース, サッカロース, ラクトース及びマルトースの検出下限はそれぞれ0.18(0.1), 0.36(0.2), 2.1(0.6), 2.6(0.7), 2.2ng(0.6μM)(S/N≧3)であった. Ni-Ti合金電極はほかの金属電極に比べて長時間優れた安定性を示した.
- 1998-10-05
著者
関連論文
- 石炭フライアッシュ粒子のキャラクタリゼ-ション (論文特集「地球環境および地域環境と化学」-その1-) -- (環境汚染物質の分析)
- 電気化学的手法によるチタンニッケル合金の腐食特性の検討
- ニッケル-チタン合金電極の電気化学的挙動と糖類の電気化学検出への応用
- PB-12 Ti-Ni形状記憶合金の超音波速度と減衰
- 超音波電気化学とその応用
- 超微小水銀薄膜電極を用いるく形波ストリッピングボルタンメトリー
- 超音波前濃縮を用いたストリッピングボルタンメトリー
- 修飾カーボン電極による金属イオンのストリッピングボルタンメトリー : シャープペンシル芯の電極としての利用
- ローダミンBと2-テノイルトリフルオロアセトンを用いたウランの抽出/蛍光定量
- Determination of Uranyl Ion in Sea Water by Adsorptive Voltammetry
- Differential Pulse Anodic Stripping Voltammetric in Application to Determination of Trace Thallium
- ナフィオン被覆水銀膜グラッシーカーボン繊維電極を用いるストリッピングボルタンメトリーによる河川水中の銅化学種の定量
- 水銀のストリッピング・ボルタンメトリーにおける微量塩素の影響
- ストリッピング・ポルタンメトリー用グラシーカーボン電極の調製
- 走査トンネル顕微鏡の分析化学的応用に関する研究/レーザーラマン分光法を用いる金属表面における導電性有機薄膜の光電解重合の研究
- マイクロスケール陽極溶解/ストリッピングボルタンメトリーによる高純度タンタル線中の銅の定量
- 石油ピッチの低温プラズマ灰化
- 液体クロマトグラフィーにおけるグラファイトカーボンカラムの分離特性
- イオンクロマトグラフィーにおける陰陽両イオンの同時分離
- イオン性多糖類を修飾した固定相を用いるイオンクロマトグラフィーにおける保持特性について
- イオンクロマトグラフィーにおける新しい固定相の開発
- ストリッピングアナリシス
- 水の純度
- 高純度水の調製
- イオンマイクロアナライザーを用いる溶液中の極微量硫化物硫黄の定量
- 水中の極微量重金属元素の示差パルス・アノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー
- 微量鉛のカソーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー
- 電量滴定法による高純度アルミニウム中の微量クロムおよびバナジウムの定量
- 高周波ポーラログラフ法を用いる鉛およびカドミウムのアノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー
- グラシーカーボン電極を用いる水銀 (II) のアノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー
- グラシー・カーボン電極を用いたアノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリーによる高純度鉛中の微量銀の定量
- 分析化学を想う