高速液体クロマトグラフ/電気化学検出法による水試料中エストロゲン及びビスフェノールAの簡易迅速定量

概要

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高速液体クロマトグラフ/電気化学検出法によるエストロゲン及びビスフェノールAの一斉分析法を開発した.移動相には,0.07 mol l^<-1>過塩素酸ナトリウムを含む45 vol%アセトニトリル-55 vol%水の混合溶液(pH 2.7)を使用した.エストロゲン及びビスフェノールAの電解酸化はグラシーカーボン作用電極上,1.05 V vs. Ag/AgClで行った.ピーク面積で作成した検量線は10から1000 ng ml^<-1>で原点を通る直線となり,100 ng ml^<-1>での相対標準偏差(n=5)は0.6から2%であった.この分析法を下水処理場放流水及び河川水に応用した.共存するフミン物質からの妨害はメタノール水溶液を用いたクリーンアップ操作の適用で抑制することができた.S/N比から算出した検出限界は5 ng l^<-1>であった.開発した方法は,誘導体化のような煩雑で時間を要する前処理が必要ないので,従来の分析法に比べて簡易迅速である.
社団法人日本分析化学会の論文
2004-05-05