Prologを用いた帰納的学習
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概要
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論理型言語Prologを対象としてプログラムの変換や合成の研究が進んでいる。本稿ではその技術を用いた帰納的学習の方式について考察する全体の処理を大きく3つにわけ、それぞれについて解決すべき課題について述べ、現在開始している実験について紹介する真にユーザフレンドリな機械は、この世界の種々の事象とそれに関する概念を人類と共有する必要がある。たとえば、「赤い」ということについて、それがポストの色であり、交通信号の「止まれ」であり、哺乳類の血液でもあり、また女性の唇でもあって、…といった様々な「赤い」を、機械が人間と同様に理解していてはじめてスムースなコミュニケーションが可能と考える。しかし、それを人間が体系立てて機械に与えるとすると、量があまりに膨大で、しかも逐次更新されるべきものであるために事実上不可能である。よってそれは、人間の子供がするように機械自ら習得する外ないものであろうと考える。我々はそのための機構を機械に与えなくてはならない。事象と概念を習得するための基本的なものは何であろうか。我々はそれを「対応付け」の能力と考える。「あれは犬よ」という母親の言葉と、目に見えている生き物の姿を対応付ける。日暮れとともに辺りを覆う闇の暗さと、肌に感じる気温の低下を対応付ける。そして、教えられたもの、感じたものをただ丸覚えするだけでなく、一般化して拡張する。つまり、いろんな犬を教えられるうちに「犬というもの」の概念を生成し、はじめての犬についても「犬だ」と判断できるようになる。我々はこの対応付けの能力を計算機上に実現することを目指し、その成果となるシステムを仮に「対応付けシステム」と呼ぶことにする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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