構文解析を用いたオブジェクト指向分析手法

概要

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オブジェクト指向によってソフトウエアを開発するフェーズは大きく2つに分けられる.1つは分析フェーズであり,もう1つは設計フェーズである.分析フェーズでは,問題を解決するために必要となるオブジェクトを抽出し,設計フェーズでは,分析フェーズで得られたオブジェクトを実際に設計する.また,オブジェクト指向によるソフトウェア開発手法について言及した論文もいくつかある.いずれの手法も問題の分析にはSA手法を用い,その出力であるDFDからオブジェクトを抽出している.しかし,この方法ではDFD中に現われるデータとそれを取り扱うプロセス間の結合,すなわちオブジェクトとそれが持つべき機能の結合を決定する明確な指針がないし,これは設計者の感覚によるところが大きい.このことは,問題の解決のために,必ずしも適切なオブジェクトが選ばれるとは限らないことを意味する.そこで今回は,SA手法によらない分析手法,および分析手法の核となるオブジェクトの抽出技法について報告する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-09-04