SQL3における再帰的問合せ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ISO(国際標準化機構)でのデータベース言語の標準化は,1988年8月にSQL2の国際規格案(DP)化を行ない,その開発の中心を次世代のデータベース言語であるSQL3[ISO88]に移してきている。データベース言語の標準化は, COBOLやFORTRANなどの標準化と違って,ISOが主体となって, 日本,アメリカ,イギリスを中心とした国際的な共同開発体制で進められてきている。現在のSQL規格については,既存の処理系でのSQL言語をより明確に再定義することに開発の主眼がおかれたこともあり,日本の貢献は,規定の明確化やデバッグを主としてものであった。SQL2の開発においては, 日本は,アメリカ,イギリスと並んで,開発の中心的な役割の一端を担った。日本がSQL2開発にあたって挙げた項目は,各国語サポート,スキーマ操作言語,動的SQLなどである。SQL2で採用された主要な日本提案は,各国文字集合サポート定義域,動的SQL,ビュー更新規則の緩和などである。とくに,各国文字集合サポートは,日本語機能を含み,正式に採用された日本語機能としては,ISOで最初のものである。そして,いま始ろうとしているSQL3では,日本が新しい機能の開発にあたって主導的な役割を果すことを目指している。SQL3の開発意図は, SQL1が関係データベース言語の基本となる規格を開発することを目指し,SQL2がSQL1を改善し,より完全な関係データベース言語の開発を目指したのに対して,SQL3での課題は,従来の関係データベース言語族が苦手としていた適用業務を含めたより広い課題に挑戦することである。本稿では,SQL3の大きな新機能の一つになるであろう再帰的な問合せについて,これまでの研究およびISOでの提案を含め,日本からの提案について検討しよう。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12
著者
関連論文
- SQL3における再帰的問合せ
- カスタマイズ可能なグラフィックエディタ
- 視覚的対話型プログラミング環境
- エディタ設計のためのユーザビヘービアの評価 : インテリジェントエディタCLOEの設計
- エディタ設計のためのユーザ・インタフェース評価 : インテリジェント・エディタCLOEの開発
- データベース言語SQL (データベースの標準化動向)