大規模コーバスからの格助詞生成規則獲得実験
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概要
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意味ネットワークによる文意表現からの日本語文生成では、述語概念と他概念を を結ぶ弧で表現される深層格関係から、表層の格助詞を決定する規則(以後「格助詞生成規則」と記す)が必要である。格助詞生成規則は、表層の述語の意味・用法毎に固有であり、深層格と表層格の対で示される格スロットと、フィラーとなる名詞概念の意味分類を必要に応じて記述した格フレームの形式を取る。このような規則は、生成対象の全動詞に対しあらかじめ高精度に記述するのは困難である。計算機支援のもとに実際の使用事例から、半自動的に獲得し、知識処理システムでの運用を通じた評価データによって、インクリメンタルに改良していくのが実際的な方法論である。本稿では、日本語文の形態素解析と意味解析結果の対を絡納した大規模コーバスを用い、動詞を対象に格助詞生成規則を半自動的に獲得する実験を行なう。結果をもとに使用事例収集や格助詞生成規則への統合における問題点について考察する。特に、高精度の規則を得るために、獲得過程において人間が判断を行うべき項目と、計算機で処理可能な項目の見極めを行なうことを目的とする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28