照合フィルタに基づくルール協調機構について
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概要
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問題解決を効率化/高度化するためには、ひとつの推論システムにおける推論を高速化する以外に、複数の推論システムが協調するための枠組みが必要である。本論文では、前向き推論型プロダクションシステムKORE/IEにおける照合フィルタに基づくルールベース協調機構を提案する。照合フィルタは、RETEネットワーク等で代表され、推論システムにおける照合過程の高速化のために用いられる。筆者等は、論理型言語(PrologやKL1等)に基づく照合フィルタとしてLHSフィルタを提案している。LHSフィルタは、LHS節と呼ぶPrologプログラムにより実現され、ワーキングメモリ(WM)の変化に即してそのProlog節が実行されることにより、照合過程相当の機能を実現する。すなわち、LHS節は、WMの変化を監視しているエージェントとしてみることができる。本研究では、このようなLHSフィルタをルールベース協調機構の内部メカニズムとして拡張/利用する。LHSフィルタに基づいて拡張された協調のための実行機構を分散ルールフィルタと呼ぶ。本論文におけるルールベース協調に基づく協調問題解決機能は、いかに問題を複数の推論システム(問題解決器)に分散化するかというよりも、いかに複数の推論システムを協調させるかに主眼がある。すなわち、ここでは、複数の異なる競合解消戦略をもった推論システムが協調することにより問題解決を効率化するため協調メカニズムについて論じる。
- 1992-09-28
著者
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