ソフトウェア開発支援システム W-1 の開発
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概要
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ソフトウェアを支援する多くのCASEツールがある。しかし、それらを実際に使用しようとする場合、幾つかの問題に出会う。第一に、それらCASEは限られた特定の設計手法(通常はSA/SD)しか支援せず、出力の図式・フォームもまた限定されると云うことである。例えば、当社では開発手法としては機能分割法を用い、図式としてはHIPOを使用しているため、それらを支援していない一般のCASEツールは使用出来ない。そうした場合、どのような対応策があるのだろうか。例えば、SA/SDの有効性は示されているから、開発手法そのものを、図式/ドキュメントを含め、ツールが支援するものに変更すれば良いと云う議論もある。しかし、本来人間(開発者)がツールに合わせるのではなく、ツールを人間に合わせるか、選択可能なだけのツールを用意すべきであろう。次に、プロジェクト管理と云う視点から見る。CASEは管理に必要な設計者の活動を知り得ると云った点に於て、プロジェクトの実行管理を行う上での潜在能力を有しているが、その能力を生かしているツールは少ない。本論では、今回設計製作し、社内プロジェクトに適用している開発支援ツールW-1に於ける解決方法を示す。この支援ツールは、プログラム設計・ドキュメント作成・プロジェクト管理と云ったソフトウェア開発プロセスの多くを支援する。主な特徴を以下に挙げる。(1)新たに設計した、コード・図式記述言語inferを用いることで、任意の図式及びプログラムコードの自動生成が出来、両者の整合性を確保することが出来る。(2)従来のCASEでは見落とされがちだった管理的側面を支援する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24