分散プログラムデバッガのためのチェックポイントアルゴリズム

概要

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並列・分散プログラムでは、あるプロセスで生じたエラーがプロセス間通信によって他のプロセスに伝播しそこで顕在化することもあり、プログラムのデバッグを非常に因難なものにしている。従来の並列・分散デバッガは個々のプロセスの実行を止めてその時点での変数の値などを調べたり、あるいはプロセス間通信の様子を調べたりする機能は持っているがそれだけではエラーが他のプロセスに伝播して顕在化するバグの原因を発見するには不十分である。メッセージの流れに沿ってデバッグの視点を順方向・逆方向に移動できるcausal debuggingを用いると、このようなバグの原因を発見するにの有効と考えられる。メッセージの流れを逆方向にたどる視点移動のとき、causal debuggingではreverse execution法を用いる。reverse execution法とは実行の途中で随時チェックポイントをとり、それをもとに目的の場所に戻る方法である。本稿ではcausal debuggingのために考案したチェックポイント・ロールバックのアルゴルズムを報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24