微分値のピーク性と方向性に基づく領域分割
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概要
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画像処理において領域分割処理は最もよく使われる手法の一つであり,画像を解析してその内容を解釈する画像理解,コンピュータビジョンにとっても最初に行わなければならない重要な前処理である.我々は,画像理解の前処理として,シーンを意識せずに2次元濃淡パターンとして画像を捉えて領域分割を行う方法について検討を進めている.領域分割の方法には,領域内部の画質の一様性に基づく処理と領域の境界抽出(エッジ検出)に基づく処理があり,それらは相補的な特徴を持つ傾向にある.我々は,領域の境界が領域分割において最も基本的で有効な情報であると考えているが,境界抽出による方法では,ノイズによる偽の境界の発生を抑えながら微妙な境界を抽出することが課題となっている.本稿では,境界抽出による領域分割法として,微分(勾配)の大きさのピーク性と方向の連続性に基づいて領域の境界を抽出し,領域分割を行う手法を提案する.本手法を実画像に対して適用したところ非常に良好な結果が得られ,その有効性が確認された.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24