データモデルの統合における一提案
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概要
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DOA(data oriented approach)の思想に基づき、一連の工学的技法を体系的に組み合わせることによって情報システムの開発を行う方法論として、IE(information engineering)がある.IEにおいては、全社、又は複数部門にまたがる業務領域のデータモデルを基盤として、個々の情報システムの開発を行う。このデータモデルの構築に当たっては、まず、現用の情報システム等のデータ分析によって作成した、業務領域ごとのデータモデル(E-R図)を,ボトムアップ的に統合したモデルに、企業戦略等をトップダウン的に反映して修正し完成させる方法が考えられる。 この内、ボトムアップの過程における各データモデルの統合においては、(1)複数箇所に出現する、統合されるべきentity type(以下では単に実体と記述)の円滑な発見、統合方法の確立(2)多数の実体を扱う統合されたデータモデルに対する。企業戦略の反映作業を円滑に実施するための、E-R図の表現形式の工夫等が課題となる。本稿では、取り扱う実体の分布特性を多変量解析することにより抽出される主成分をもとにした、E-R図のマトリクス表現形式を採用することにより(1)データモデルの統合過程における、統合されるべき等価な実体の発見の容易化、及び(2)統合されたデータモデルに表現されている情報構造の読み取りを視覚的に容易化して、これに対する企業戦略の反映のための修正作業の円滑化を図る方法を提案する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04