生物の性の分化・進化のシミュレーション
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概要
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生物の性は、それぞれの個体の形質、生殖細胞の大きさ、性の個数など、種や環境によって多くの異なった様相を見せる。有性生殖を、生殖による遺伝情報の交換とするならば、「異性に属する集団のみとの接合」というルールを有性生殖に持ち込むことにより、性差・性の分化が発生する。更に、自己限定性を備えた生殖集団・繁殖共同体が生まれると、それが種分化に相当する。また、多くの生物で配偶子に大きさの大小の差異が進化している。これは、小さな配偶子を多数そろえて接合する相手配偶子の資源を利用する傾向と、接合した子孫が生存するために必要なエネルギーを受け継ぐ可能性という両者の兼ね合いから発生したと理解されている。こうした性分化・種分化が成立するまでの進化のプロセスは、今となってはその筋道を辿ることは不可能であり、数理モデルによる解析が広く行われているが、本稿では、他者認識、子に分けるエネルギーの割合という要素を導入したモデルを遺伝的アルゴリズム(以下GA)に適用することにより、性分化、種分化をシミュレートする方法を考案したので報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04
著者
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