ビジネス分野向け多層型モデリング手法MELONの試み
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概要
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近年、オブジェクト指向技術の実用化が様々な分野で実践されつつある。ビジネス系情報システムの開発においても、オブジェクト指向技術の適用事例は出始めている。しかし、ユーザインタフェース部分などを除いては、ビジネス系オブジェクトの動的振る舞いまで含めたモデル化には困難があるようであり、このレベルまで達した適用事例は少ない。我々は、情報システム化の対象領域がビジネス系業務である場合、動的振る舞いの中心となるのは個々のオブジェクトではなく、むしろ、関連であることがこの原因であると考えた。この関連の振る舞いをオブジェクトの振る舞いとして捉えようとするために、他のオブジェクトとの関連に応じて雑多な振る舞いが発生し、また、関連を通じての他のオブジェクトとの依存関係が高まってしまう。そこで、むしろ、振る舞いを関連に固有のものとして考え、関連を中心にして振る舞いをカプセル化する方法を模索し、その成果としてMELON(Multi-layered Epistemic Logical ObjectNetwork)という多層型のモデリング手法を開発してきた。MELONの特徴は、動的振る舞いの単位として「役割場」という概念を導入すると共に、情報共有化のために「原子モデル」を導入し、これらを相互に関連づけたことにある。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04
著者
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岡部 雅夫
東京電力株式会社システム企画部
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渡辺 香里
東京電力株式社
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近藤 文夫
東京電力(株)システム企画部
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皆川 誠
富士ゼロックス情報システム株式会社オブジェクト指向開発センター
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近藤 文夫
東京電力株式社
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近藤 正人
東電ソフトウェア株式会社
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松田 一行
富士ゼロックス情報システム株式会社
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皆川 誠
富士ゼロックス情報システム株式会社
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渡辺 香里
東京電力株式会社情報システム部
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