確率的木文法学習を用いたタンパク質二次構造予測
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概要
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タンパク質立体構造において、頻繁に見られる規則正しい構造を二次構造と呼ぶ。与えられたタンパク質アミノ酸配列に対し、二次構造領域を予測する問題は、タンパク質の立体構造ひいてはその機能をも理解するための重要な1ステップと考えられており、1960年代より扱われてきた歴史の古い問題である。しかし、いずれの既存手法も局所領域のみからの予測を試みており、3状態(αヘリックス、βシート、その他)予測で60%前後の予測率を挙げるにとどまっている。今後、この二次構造予測の予測率を向上させるためには、一般に配列内の遠距離相互作用の考慮が不可欠とされている。ここで、代表的な二次構造の一つであるβシートは、βストランドと呼ばれる局所構造が平行に水素結合を保持した構造を指す。特に、βストランドの向きが互い運いに並んだ構造を反平行βシートと呼ぶ。本稿では、βシート(特に反平行βシート)領域を高い精度で予測することを目指し、βストランド内の相対するアミノ酸残基同士の遠距離相互作用を直接扱う新しい木文法システム、及び、その学習・構文解析方法を提案する。さらに、実際のタンパク質データに対する適用例を示す。
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1993-09-27
著者
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安倍 直樹
NEC C&C研究所
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馬見塚 拓
NEC C&C研究所
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安倍 直樹
Necインターネットシステム研究所
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馬見塚 拓
Necインターネットシステム研究所
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馬見塚 拓
Nec C&c情報研究所
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安倍 直樹
Nec C&c研究所
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