漢字の意味に着目した類義表現検索の検討
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概要
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日本語の情報処理において文章が表現している意味を扱おうとすると、形態素解析、構文解析等の文法的解析に加えて意味のレベルの処理を結合させることが必要となる。情報検索のような日本語処理の適用例を考えても、検索者の意図(検索要求時に使用する言葉)とデータ登録者の認識(データに付与するキーワード)とが一致する保証はなく、したがって検索要求中のキーワードの同義語,類義語への展開は不可欠であり、シソーラスを用意してこの種の対応をとることが一般に考えられている。しかし、類義語,関連語の範囲をどこまでにするか、さらに、語の多義の問題もあり、本質的な解決にはならない。森岡は漢字を形態素の資格をもつものと考え、語構成上の特徴にによって分類している。ここでも語を構成する要素としての漢字の字義に着目し、漢語(漢字の熟語)の意味を、それを構成する各漢字の意味の合成として考えてみた。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16