パソコン通信を利用したソフトウェアの共同開発 : プログラミング言語Oscalの設計と実現
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概要
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近年、パーソナルコンピュータやワードプロセッサがいたるところで使われている。このパソコンやワープロを利用したパソコン通信が最近注目されており、現在数多くのパソコン通信ホストシステムが開局し、数多くのパソコンやワープロのユーザーが利用している。このパソコン通信を利用して、原稿執筆時点でまだ一度も会ったことのない我々は、新しいプログラミング言語Oscalの設計を共同で行い、その処理系を実現することができた。(我々は物理的にも離れた位置で暮らしている。)Oscalは、コンパイラはなぜプログラマが与えたインデントという2次元情報を無視してしまうのか、という不満から誕生した。誰でもプログラムの構造を把握する手段としてインデントを利用していると思われる。その視覚による情報と、構文との間に差がでてくると、なかなかに根深いバグの元になる。そこでOscalはインデント=構造いう構文規則をもって、視覚と構文を一致させた。「Oscal」は、プログラムの構造(の一部)をインデントで表す言語「Occam」と、従来の手続き型言語「Pasca1」の2つを合成してできた名前である。Oscalは、インデントによってプログラムの構造を表している。このためBNFのように文脈自由文法と同じ能力を持つ記法でOscalの文法を定義することは非常に難しい。この問題を解決するために、我々は属性文法を採用したコンパイラ-コンパイラMYLANGを利用した。Oscalの開発過程の記録は、パソコン通信ホストシステムにすべて記録されており、このことも開発の上で、非常に役立った。Oscalの開発期間は、発案(1988.3.末)から処理系の実現(1988.5.末)まで約2力月であった。なおここで開発された処理系は、Oscalプログラムを、Pascalに変換するプリプロセッサである。
- 1988-09-12
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