APLのプログラミング環境に関する一考察
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概要
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近年,Smallta1k-80に代表されるように,言語システムのプログラミング環境,特に高い操作性の統合的な対話型開発支援環境に開する研究が盛んに行なわれている.この背景にはワークステーションの進歩および普及によって,従来からあるホスト・マシン一端末の世界ではなし得なかった高いユーザビリティが実現できるようになった点が挙げられる.従来APLは対話型汎用言語として長く使われてきたが,比較的多くの資源を必要とするため,稼働環境はホスト・システムが中心であった.だがワークステーションの高機能化によってワークステーション上でも稼働するAPLシステムが実現できるようになった.しかしこれらは主としてホスト上のAPLの仕様をそのまま又は低減して移植したもので,対話処理環境あるいはユーザビリティはその稼働環境を充分考慮したものであると言い難い.伝統的なホスト端末の制約のもとで,セッション・マネジャーによって端末画面の情報を管理しているホストのAPLではなしえなかった高い操作性をワークステーションの上で実現させる必要がある.プログラミング環境に関する議論はエディタ,デバッガ,ツール,ネットワーク,その他様々な要素において行なわれなければならないが,本稿ではAPL言語とその視覚的プログラミング環境に重点を置いて,ワークステーション上でどのように融合させていけばよいかという観点で,今後APLの対話処理環境をいかに向上させたらよいかについて検討を行う.
- 1986-10-01